
4月24日(木曜日)JICA海外協力隊としてマダガスカルに派遣されていた福井妙恵さん(職種:コミュニティ開発)が、表敬訪問されました。福井さんは約2年にわたり、マダガスカルの地域住民と協力しながら、生活改善や防災意識の向上をめざした様々な取り組みを行ってこられました。
現地の声に耳を傾け、ゼロから生活改善へ
マダガスカルはアフリカ南東部に位置する島国。自然豊かな反面、医療やインフラが十分に整っていない地域も多く、生活の質を高めるための取り組みが急務とされています。福井さんはマダガスカルの市役所に配属。そこでは、住民の多くが日々の生活に必要な物資や情報へのアクセスに困っている状況でした。「何が本当に必要とされているのか、まずは住民の話をしっかり聞くことから始めました」と福井さん。マダガスカル語もわからない状態でしたが、現地の保健ボランティアの方々に言葉を教えてもらいながら連携を取り合って、住民と共に“生活改善アプローチ”を推進されたそうです。煮炊きの効率を高めるための“かまど”を作ったり、現地ではよく使われる“炭”の製造を実施したりと、実践的で持続可能な技術を丁寧に伝えました。
水害リスクに挑む ~防災啓発にも尽力~
また、マダガスカルはハリケーンなどの自然災害、とりわけ水害の被害が多い地域でもあります。しかし、地域住民の間では、避難や事前対策の知識があまり浸透していませんでした。そこで福井さんは、災害時にどう行動すべきかを伝える「避難チラシ」や_「啓発資料」を作成し、住民に配布。絵や図を活用し、こどもから大人までが理解しやすい工夫を凝らしました。「知識があるだけで、人は命を守る力を持てるんです」とお言葉をいただきました。防災意識の芽を育む活動は、今後の地域づくりにおいても重要な礎となるでしょう。
高石市から世界へ。地域と世界をつなぐ人材の力
畑中市長との対談では、福井さんが現地で得た経験や課題、今後の展望についても活発な意見交換が行われました。市長は「地元・高石市からこのような国際的な舞台で活躍される方がいることを誇りに思います」と話し、今後も国際協力や地域貢献に関心を持つ若者の後押しを続けていく姿勢を示しました。
福井妙恵さんの活動は、単なる「支援」を超えた“共に考え、共に歩む”国際協力の在り方を体現しています。高石市から遠く離れたマダガスカルの地で、一人の想いが地域を動かし、確かな変化を生み出しています。
マダガスカルと高石市の交流は今後も続いていきます。